どうもーぬつですー
突然ですがみなさんはフォーメーション練習って知ってますか?
ダブルスの実戦形式の練習でとても役に立つ練習方法で、
簡単にいってしまえば並行陣対雁行陣の形から球出しからスタート、
いろんなところに球出しをして、そこを始点にゲーム形式でラリーをするものです。
この練習をすることでボールにあわせて動く練習、コートカバーの練習になります。
ダブルスでの動き方の練習にはもってこいです。
今回はダブルスの並行陣と雁行陣(がんこうじん)の動き方についてもご紹介しています。
内容としては中上級〜上級向けとなっていますので、専門用語の解説は省略しています。
フォーメーション練習をやる効果とは?
球出し練習やラリー練習はフォーム固めなどに最適、基礎を固めるお約束練習としてはとても効果があるのですが、
相手がどんなボールを打ってくるかもわからない実際の試合ではあまり意味を成しません。
テニススクールに通っている人で多いのが、
レッスンのラリーや、練習試合ではものすごく強いのに、
いざ、外部の大会や市民大会になると全然勝てない人。
これはまさにスクールの打つ方向が決まってるお約束練習ばかりやっているせいで、
慣れた環境、慣れた練習では力を発揮するタイプ。
試合に勝ちたいのであれば、ラリーの中でも予測できない変化のある練習が必要になります。
特に試合で当たる人は初対面、どんなボールを打つかはわからないですよね。
今回ご紹介するフォーメーション練習はまさにこの変化のある練習方法なのです。
多人数にも向いてる練習
スクール以外でテニスの練習をする人にとってはコートの面数が限られてくると思います。
1面で多い人数で練習しようと思うと、
コートを半分に区切ったりして1面のコートにできるだけ多くの人数が入るようにする必要があります。
フォーメーション練習は、テニススクールのゲームクラスなどで取り入れているところもあり、
大人数でもボールを打つ機会が多くなるので、多人数の練習としてもおすすめです。
1回打って1回休みのローテーションで組むと、球出し含めて最大9人までは対応可能です。
フォーメーション練習のやり方
実際にフォーメーションの練習方法についてご紹介します
まずはこちらの写真をご覧ください
こちらの写真はフォーメーション形式の基本的な練習パターン。
並行陣対雁行陣の形式ですね。
陣形について簡単に説明すると
- 並行陣:2人ともネットまでつめて前衛のポジションを取る攻撃的ポジション
- 雁行陣:1前衛1後衛の基本的な陣形
- ダブルバック:2人で後衛に回る守備的ポジション
これらの陣形はダブルスの試合において場面場面において展開され
立ち位置によって対処方法が変わってきます。
ダブルバックはちょっと特殊なのでまた別で書きたいと思います。
並行陣対雁行陣は攻められている雁行側は不利な状況ですから、工夫して展開する必要があります。
先ほどの画像に戻りましょう。
青い磁石が人に見立てたものになります。
星マークの人が球出しをして、基本はセンターにボールを出します。
並行陣後衛がクロスへ返球、雁行陣の後衛へ返球したところからラリーを開始。
あとはもうどこに打ってもいいです。
最初以外は打つ場所を決めないのがポイント。
基本はクロスラリーの形になると思いますので、並行陣の前衛がポーチに出るもよし、
パッシングショットでストレートを抜くもよし、ロブを使うもよし、ショートクロスで相手も走らせるもよしです。
この練習で大切なのが、
- 並行陣:しっかり決めきる練習
- 雁行陣:守る練習とラリー展開を変えて、変化を加える練習
特に雁行陣側の変化に慣れる練習は実戦でとても役に立ちます。
ラリーに変化を加えないと並行陣を崩して逆に点を取るのは難しいので、考えてショットを打つ必要があります。
この展開を考える工夫が、試合に活きてくるのです。
とっさの判断がテニス、特にダブルスでは求められます。
これを並行陣側をチャンピオンとしてサイドを固定した状態のゲーム形式で回しても良いですし、
各ポジションの間に休憩を入れて時計回りでローテーションで回しても良い練習になります。
コーチが入れば効果的な配球をするので、より練習の効果も高まりますが、
コーチなしでも十分良いメニューとなっております。
各ポジションの役割と動き方
磁石の横の数字は説明に使う各ポジションの役割で
- ①・②:並行陣前衛後衛
- ③・④:雁行陣前衛後衛
となります。
①並行陣後衛
この形式の要と言っても過言ではありません。
並行陣対雁行陣でも基本の形はボレー対ストロークのクロスラリーになるのですが、
並行陣側の返球によっては一気に形勢が変わってきます。
例えばロブショット。
並行陣はネットに詰めることで相手が打てるコースの範囲、角度を狭めて自分たちが攻めやすい形を作る攻撃的なポジションであると同時に、
後衛に人がいないため守る範囲が必然的に増えてきます。
特にロブショットがうまい相手だと簡単に崩されてしまいます。
ちょっと難しいショットだとスピンロブなんかはスピードがあり、
バウンド後も高く跳ねるので取りにくく、そこで決められたりもします。
少し脱線しましたが、並行陣の後衛は、
バウンドが低く、深さののあるショット(ローボレー)を打つ必要があります。
すべるような低い軌道が理想ですね。
ボレーの性質を最大限活かして攻めやすい形を作り続けるのです。
いくら並行陣でも1発で決めるのは難しいので3~4ラリーを想定しながら返球するのがいいでしょう。
コースは基本クロス。
より上級のテクニックとしては相手のポジション取り、
ボールの強弱によって深めと浅め、ストレートやショートクロスを狙うのもアリ。
が、難しいのであればクロスにひたすら返し続けるのが無難です。
前衛がポーチボレーに出れるタイミングを待ちましょう。
平行陣後衛の重要な役割としてセンターカバーがあります。
ダブルスでは真ん中をお互いに譲り合ってしまうことも多いと思います。
基本センターのボールは後衛が取るものと考えましょう。
ポジションが近ければフォアハンドで取れる側が取るのがおすすめ。
ちなみにですが雁行陣側の後衛(ストローカー)の前にすぐドロップショットをするのはやめておいた方がいいです。
この赤丸の部分ですね。
立っている位置がネットに近く、ラリーの速度も早いため、
相手のストロークを相手に取られない、勢いを殺したショットを打つのは難しいです。
展開の中でもリスクが高いコース。
少しでも甘くなる、バウンドが高くなれば、相手によってはボールを前衛に思いっきりぶつけてきます。
(体制を崩すためと、相手の体に当たっても得点になるため)
ストレートアタックというやつですね。
テニスは失点のリスク、確率を下げることが試合に勝つのに大切なので、
そういう意味でも安易なドロップショットは避けた方がいいです。
ボールに勢いがない、浮いているなど、チャンスであれば効果的ですので場面によって使い分けましょう。
②並行陣前衛
並行陣側の前衛はそんなに仕事は多くないです。
- ストレートを打たれないようにする
- チャンスボールをちゃんと決めきる
これだけ。
並行陣で2人とも前にいるといっても、前衛と後衛に分かれているのは理由があります。
雁行陣のように位置を少し変えることで、前衛には攻撃、後衛には攻撃へのつなぎという役割があるからです。
先ほど並行陣の後衛について説明しましたが、後衛はラリーを組み立てる役割があります。
なので前衛は攻撃に徹するわけですね。
ストレートはさすがに後衛では守りきれませんから前衛が守ります。
そのかわり、センターに来るボール、前衛が届かないようなロブショットは全部後衛の仕事になります。
ロブで抜かれたからといって前衛の人が取りに行っちゃうと、
陣形が大きく崩れて相手がボールを打ち込める範囲=オープンコートが大きくなりますので注意。
後衛の方が斜めに走る分、ボールに追いつきやすいので、基本的に届かないロブの処理は相方に任せましょう。
③雁行陣の前衛
雁行陣は前衛に仕事が多いです。
基本的には攻撃をされているので2人で守ります。
立ち位置はサービスボックスの真ん中が基本になり、
上級者になってくるとサービスボックス内で動いてボールの動きに合わせて相手のコースをふさいだりしますが、
今回は基本的なポジション取りで説明したいと思います。
前衛の一番大事な役割は、
左側のストレートと真ん中の線(センターライン)の間で
一歩で取れる範囲を守ること。
これ結構重要で、前衛が必要以上に動きすぎると後衛の人が迷ってしまいますし、
行ったり来たり動きすぎると、ストレートをあっさり抜かれてしまします。
そのため、前衛のポジションからあまり動かなくても手がとどく範囲を守るだけで十分なのです。
特にストレートを抜かれないように注意。
ストレートを抜かれないコツはボールが相手コートに返球されたら
小さく一歩前にポジションを移すことです。
(図はわかりやすく矢印を書きましたが、こんなに大きく動く必要はありません。)
雁行陣の前衛は基本は動きすぎず、
最終的に一歩前、一歩後ろをラリーに合わせてできるようになればOK。
(相手前衛にボールが行ったら間に合わないので動かないでOK)
ネットに近づくことで打てる角度が狭くなり、
打てるコースを絞ることができるのでストレートが狙いにくくなり、
相手の選択肢を減らすことができます。
上手い人とテニスをすると、「なんでそんな先読みした、みたいなところにいるの!?」と思ったことはありませんか?
実はそれはたまたまではなく、立ち位置を微妙に変えてコースを限定し、うまくコースを予測しているからなんです。
細かい動きをする・ポジションを微妙に変えてコースを予測するのが上級者の駆け引き、テクニックです。
試合で勝ち上がっていく選手は前だけでなく、
前後左右サービスボックス内で、ボールの動き・位置によって細かくポジションを変えます。
ボールの位置によってポジションを変え、相手のコースを限定していくのがポイント。
もし、コースを絞ったのに難しいコースを打ち抜かれたら相手がうまかったということです。
(これは前衛だけでなく、どの位置にも言えます)
④雁行陣後衛
恐らく一番体力的にしんどいポジション。
相手の攻撃をひたすらしのいでラリーを続けるポジションになるためです。
しかしただやられてばかりではなく、雁行陣側の攻撃の起点となる場所でもあります。
相手後衛の足元を狙ってローボレーを浮かせる、ロブで相手前衛を抜く、
ストレートをパッシングで抜く、ショートクロスで相手を走らせるなどショットの選択肢が一番多い場所だからです。
基本のコースはクロスラリー。
このフォーメーション練習の後衛ポジションでストロークを打ち切れるようになれば、試合でも問題ないでしょう
応用編
最初にも書いた通りフォーメーション練習は試合展開、変化の練習です。
ずっと同じ内容でやっていても意味がないので少しずつ変化をつけていきましょう。
こちらの画像をごらんください。
こちらはあえて球出しをストレートに出してそこから展開するパターンです。
陣形を崩してそこからの展開を練習します。
センターからクロス方向にボール出しをしている中、たまにストレートにボールを出すと、
不意をつかれた形になるので、試合に近い形で展開できます。
各番号の横に矢印が書いてありますが、
各ポジションの人はボールにあわせてボールの方向に寄るようにしましょう。
ストレートにボールが出ると全員ストレート側によるのがポイント。
そしてポジションがボール(この場合ストレート)に寄るということは、
オープンコートがどこになるか考えていきましょう。
ヒントを出すと、
最初にボールを受ける並行陣後衛は雁行陣前衛にストレートを塞がれると、
コースがセンターかクロス、ショートクロスに限られてきます。
ということは、ボールのスピード、威力によっては雁行人後衛が前に詰めることもできるのです。
並行陣対並行陣になれば雁行陣よりも有利な形でラリーにもっていけます。
さらに上級な考え方になると、
前衛がストレートを塞ぎ、あえて後衛は外側に寄ることでセンターをわざと空けます。
すると相手はセンターを狙ってきますので、
そこにすかさず前衛が飛び出すようにポーチに出て決めるなんてテクニックもあります。
筆者は結構これ好きで、ストレートケアした後もあえてストレートの位置に立っていて、
相手がポーチはないな、と思ったところに飛び出してポーチ決まると気持ちいいです(
ストレートケアのボールのスピードをおさえて、
やわらかいタッチでゆるやかなボールを返球すると時間ができるので成功しやすいです。
まとめ
ということで実戦を想定したフォーメーション練習について紹介してきました
正直陣形の展開パターンを挙げ出すとキリがないので一部のみ記載しました
ダブルスの練習・ラリー展開の参考にしてみてくださいね。