【元コーチが解説】フォアハンドが苦手・悩んでる人に読んでほしいフォアハンドの安定・威力・コントロールのポイントまとめ

この記事は

  • フォアハンドが上手くなりたい!
  • なんかフォアハンドが安定しない・・・
  • フォアハンドでガンガン攻撃できるようになりたい!

このような方に向けて書いています。

 

フォアハンドは簡単なようで実は難しいです。

テニスを始めて一番最初に習うショットですが、

テニスをする上で、永遠に追求する必要があるショットでもあります。

 

筆者自身も選手としての最大の課題は「フォアハンド」です。

今でも全てのショットにおいて一番重点的に練習します。

 

今回は元テニスコーチの私ぬつが、フォアハンドについて徹底解説します。

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フォアハンドはテニスの「核」となるショット

最初に書いた通り、フォアハンドはテニスを始めて一番最初に習うショットです。

同時にテニスの「核」となるショットになります。

 

テニスは競った試合になればなるほど、自信のあるショットが多いほど勝てるようなります。

 

競技歴が長くなれば選択肢は増えますが、多くの選手はフォアハンドに自信を持っていることが多いです。

 

フォアハンドは

  • 利き手で打てるから打球感覚がわかりやすい
  • 片手で打つから自由がきく
  • 簡単に強いショットが打てる

利き手でうまく体を使って打てる人が多いことから得意な人が多いです。

試合で勝つにはフォアハンドの強化は欠かせないと言っても過言ではないでしょう。

フォアハンドは自由だからこそ難しい

上記で「片手で打つから自由がきく」と書きましたが、これはメリットでありデメリットにもなります。

 

自由がきくということは、簡単に無理な打ち方をしたり、打ち方に変な癖がついたりして、

安定感がなくなる、感覚がわからなくなる可能性もあります。

 

私もジュニア時代にフォアハンドに変な癖がついてしまったので、

大学生の頃、怪我で長期間テニスができずに感覚を無くしてしまった時はかなりのスランプになりました。

 

ちなみに高校生まではフォアハンドがものすごい得意で、バックハンドが大嫌いでした。

逆に今はバックハンドの方が得意に。

 

現代テニスの厚いグリップ、グリグリスピンでガンガン攻めるプレースタイルでしたね。

 

余談ですが、先日高校生の頃何度も対戦した相手と、とある大会の本戦で久しぶりに試合しました。

当時の記憶を元にバックハンドにばかり集めてくれるのでとても気持ちよくテニスをさせてもらいました(・∀・)

タイブレークで負けたけど

 

フォアハンドが苦手になったと伝えたらまーびっくりしてましたね。。。

ゴリゴリのストローカーのイメージだったらしく、

サーブアンドボレーを多く使うようになったことにもさらにびっくりしてました。

 

本題に戻りますが、スランプのままテニス肘と手首を怪我してしまいテニスから離れた時期があったので、

フォアハンドがかなり苦手になってしまいました。

 

この経験が、昔は感覚でテニスをしていたのが、

頭を使ってテニスをするようになった瞬間でもあります。

 

その後初心者に戻ったつもりで徹底的に基礎からやり直すことで、

なんとか試合でも使えるレベルに戻りましたが、

今でもフォアよりバックハンドの方が得意です。

 

筆者は両手バックハンドなのですが、

自由がきかない分スイングが安定するので大崩れしないのがフォアハンドとは違うところです。

 

また個人的な理由なのですが、体の使い方がバックハンド側の方が得意ということもあります。

(体の使い方ついてのお話はまた別の記事にて。)

フォアハンドを安定させるためのポイント

そんなこんなでフォアハンドのスランプを抜け出すため、

基礎からしっかり見直した、元テニスコーチの筆者からお伝えしたいアドバイスをご紹介します。

 

技術面では

  • テイクバックの速さ・動く前にラケット引く!
  • 打点の位置・高さ
  • ラケットの振り抜き・ワイパースイング使ってますか?

 

精神面では

  • ごちゃごちゃ考えすぎない
  • こうしなきゃいけないと思い込まない
  • 完璧を求めすぎない

細かく解説していきます。

(後述の「フォアハンドのコントロール」についてもあわせてご覧ください。)

テイクバックの早さ・動く前にラケット引く!

フォアハンドは打つ前のテイクバック(ラケットを引く)の早さで

ショットの質の7割決まると言っても過言ではありません。

 

ポイントは

  • 相手が打ってフォアハンドに来る!とわかる
  • ラケットを引く
  • 移動する

この流れが大切

 

よく移動してからラケット引く人がいるのですがこれは間違いです。

ボールが来る瞬間にテイクバックすると落ち着いて対応できないのでミスしやすいです。

 

ボールを打つ瞬間は打つことだけに集中して欲しいので、

テイクバックはできるだけ早くするようにしましょう。

こちらの動画がわかりやすいかなと思ったので一応貼っておきます。

 

マレー選手もジョコビッチ選手も厳しいコースに打たれた時のフォアハンドが、

ラケットを引いてからボールを追いかけていますよね。

(速くてわかりにくいですが、普通のラリーも先にスッとラケット引いてから移動してます)

 

余裕がなくなればなくなるほど準備が大切なのはプロの試合でも言えることなのです。

フォアハンドを得意にしたいのであればテイクバックはお早めに。

打点の位置・高さ

自分のフォアハンドの打点の位置、知っていますか?

そして、ラケットを持ってない方の手は遊んでませんか?

 

フォアハンドの安定には打点の位置にラケットを持ってない方の手をセットすることがとても大事。

セットするのは体の斜め前だいたい45度くらい

(人によってセットする位置は変わります。)
https://static1.squarespace.com/static/53cd9235e4b0047dfb9f297c/t/53e90e07e4b0b4624da64a25/1407782432726/blog_tennis.png
引用ーhttp://www.laderaoaks.com/blog/2014/8/11/timing-is-the-key-to-power

セットした前の手めがけてスイングすることで、

スイング軌道をぶらさず常に同じ軌道でラケットを振ることができます。

 

軌道が変わらなければミスする確率もグッと減ります。

打点の位置にラケットを持っていない方の手をセットすることで

ボールとの距離を測ることもできます。

 

打点の位置ですが、

厚いグリップは体より前、薄いグリップは体の近くが打ちやすい場所になります。

 

ラケット面の向きはボールに対してまっすぐ後ろから、

もしくは、厚いグリップの人ならラケット面が地面に向かって少し斜め下を向くくらいです。

大事なのは打点の高さ

初めてフォアハンド習う人は下から上にラケットを振るように習うことが多いですが、これは初心者までの話。

下から上のスイングだと上達してきてラケットを強く早く振れるようになるにつれてアウトミスが多くなります。

 

フォアハンドに慣れてきたら徐々にできるだけ高い打点でボールを打てるようになりましょう。

 

具体的な場所は

  • 厚いグリップの人は「腰と胸の間の高さ」
  • 薄いグリップの人は「腰の高さ」

http://www.tennisviewmag.com/sites/default/files/resize/Federer_119-715x477.jpg
引用ーAO Day 3 Preview: Federer, Radwanska-Bouchard

これ以上高ければネットミス

これ以上低ければアウトミスの確率が上がります。

 

下から上のスイングだとラケットを強く早く振れるようになるにつれてアウトミスが多くなります。

 

ボールを打つコートの場所にもよりますが、

  • なるべく高い打点で打つ
  • 下から上ではなく地面に対して平行に近いスイングで打つ
  • ボールの高さはフォロースルーでとる

この3点をやってみるだけでもかなりフォアハンドは変わります。

 

ベースライン付近で平行スイングをしてもネットにかかってしまいますので、

フォロースルーでボールの軌道を高くする必要があります。

(詳細はラケットの振り抜き項参照)

 

ボールを高い打点で打つためには

  • できるだけ前で
  • できるだけネットに近い位置で
  • できるだけ早くボールに近づいて

この3できるだけをやってみると自然と打点の位置が高くなってきます。

ラケットの振り抜き・ワイパースイング使ってますか?

先ほど「平行スイングはフォロースルーで軌道を高くする」と書きましたが、

その前に皆さんはラケットをちゃんと振り抜けてますか?

 

フォアハンドが苦手の人や普段壁打ちを多くやってる人に多いのですが、

  • 「振り抜いたらアウトしそう・・・」
  • 「振り抜いてたら壁からボール返ってくるタイミングに間に合わない」

後者はもはや壁から返って来るボールを返すことが目的になってますよ(

 

壁打ち練習のプロが対人の試合ではダメダメになってしまうのは、

普段壁の向こうのコートのどこに落ちるか見ていないから。

 

実は振り抜かないでラケットを止める、

ボールに当てるだけの方が、アウトしやすいのです。

 

というのも

  • 当てるだけだと回転がかからず、ボールが落ちる力が加わらない
  • 回転がかからないのでコートに収まらずただまっすぐ飛んでくだけになる

 

ストロークの軌道は打ち初めから打ち終わりにかけての山なり軌道です。

ラケットを振り抜かないことで落ちる動作が作れず山なり軌道が作れません。

なのでラケットの振り抜きはとても大切なのです。

 

話が脱線しましたが、

「平行スイング」でボールの軌道に高さを出す・コートに収めるにはワイパースイングを使いましょう。

 

ワイパースイングは手のひらを車のワイパーのように動かす技術で、

地面に手をついて内側に回す動きをラケットを持った状態でやってみてください。

 

この動きをフォアハンドのフォロースルーの時にできればワイパースイングの完成。

 

打ち終わりにラケットを持ってない腕の二の腕あたりに来るようにスイングするのがポイント

http://tennis.icooy.co.jp/federer/wp-content/uploads/2016/04/forehand12.png
引用ー10.フォアハンドのフィニッシュ | icooyテニス個別レッスンアカデミーのテニスコーチ向けサイト

 

ワイパースイングをすることでボールに強い回転がかかり、

地面に向かってボールが落ちる強い力がかかるのでアウトミスが少なくなります。

 

ただ、ワイパースイングを強調しすぎるとネットミスが多くなるので注意

特に薄いグリップの人はワイパースイングは軽めで大丈夫です。

(打点が体に近いので、ボールを巻き込みすぎて全然ボールが飛びません)

 

ワイパースイングでネットが多い場合は、

  • ラケット軌道を平行よりも、少し下から上のスイングに変えてみる
  • スイングが縮こまってる可能性があるので体を大きく使うようにする・・・etc

微妙な調整が必要になります。

 

こればかりはその人のフォアハンドを見てみないとなんとも言えないので割愛します。

ごちゃごちゃ考えすぎない

フォアハンドの調子が悪いと、

「あーしなきゃいけない」「こうしないからうまく打てない」など

色々考えてしまうと思います。

 

ですが、考えすぎは体を硬くして、スイングを小さくします。

そのミスからまた考え込んでさらにミス・・・という悪循環がつながります。

 

そんなときは頭を空っぽにしてとにかく振り抜くこと。

 

現役のテニスコーチだった頃のコーチ練習で、コントロールを良くするために

  • カラーコーンを3つ並べてその上にボールを乗せる
  • フォア、バックのクロス方向に3つのコーンを置く
  • テンポの速い球出しでボールが全部落ちるまでひたすら打つ

こんな練習をやってたのですが、

この練習には狙う練習だけでなく、頭の中を空っぽにする意味も含まれてました。

 

狙いをつけすぎると足も止まるし体の動きも悪くなるからです。

 

できるだけリラックスした状態で打つショットは

考え込んで狙ったショットよりも考え結構いいとこに打てることが多いです。

 

もし、ミスが多くて改善されないのであれば一度頭を空っぽにして

ただひたすら振り抜くことだけを意識してボールを打ってみましょう。

こうしなきゃいけないと思い込まない

フォアハンド上達のためにプロの動画などを見て参考にする人は多いと思います。

私も良くやります。

 

ただ、その動画を見て

「あの動画ではこうしてたからこうしなきゃ!」とか

「こうしてないからうまくできないのか」と思い込んではいけません。

 

テニスには個人に合ったプレイスタイルがあり、一人一人打ち方、打ちやすさが微妙に違ってきます。

 

プロの選手はその人に合ってる打ち方をしてるからうまく打てるので合って、

プロをそっくり真似してもあなたは今日はそのプロとは別人なのでうまくできるとは限りません。

参考にしてやってみることはむしろとても大切です。

 

大事なのは「こうしなきゃいけない」と」思い込まず、

プロの真似をしながら自分に合った打ち方を見つける、変えることです。

 

「こうしなきゃ」と固定概念にとらわれないようにしましょう。

完璧を求めすぎない

ミスが続く、イメージと違う、感覚がわからなくなってる。

ぶっちゃけそんな時は何をしても良くはなりません。

 

であれば今よりちょっとだけ改善することを目指しましょう。

  • アウトばかりするならめっちゃ浅く打ってみよう
  • ネットするならアウトするぐらい大きく打ってみよう

いきなり思い描いた完璧なショットを目指してもドツボにハマってストレスたまるだけです。

長い目で改善するようにしましょう。

 

いきなり完璧を求めては良くなるものも良くなりません。

フォアハンドが安定しない人がよくするミス

スイングが早すぎる

ラケットのスイングは早ければいいってものではありません。

早くてもラケットの真芯当たってるのであればいいですが、

大体は中心からずれてることが多いです。

 

ラケットの中心付近にはスイートスポットという

「ここにボールが当たればいいショット打てるよ!」

という場所があるのですが、

やはりスイートスポットに当たったほうが力強いボールが打てます。

 

ラケットにガシャってホームランばかりする、

端っこにばっかり当たる人はスイングスピードを抑えるようにしましょう。

足が止まってない

ランニングショットや取るのギリギリの時は滑りながら打つこともありますが、

基本は止まって打つのがショットの安定には欠かせません。

 

レベルが上がってくると多少動いてても普通に打てるのですが、

フォアハンドが安定しない、と悩んでる人は、

ボールを打つときにちゃんと止まれてるか確認しましょう。

 

一番ダメなのはだらっと動きながら打ってることです。

メリハリをつけて打つようにしましょう。

フォアハンドの威力を高める3つのポイント

フォアハンドの威力を高めるポイントは

  • テイクバックで上半身を限界までひねる
  • ボールをインパクトでしっかり押す
  • ワイパースイングでラケットを体に巻きつける

この3つを抑えておきましょう。

テイクバックで上半身を限界までひねる

フォアハンドでラケットを持ってない手は遊んでいませんか?(2回目)

実はその手がとても大切なのです。

 

ラケットを引いている方向に向かってセットしてください。

こうすると上半身をひねることができるので溜めを作れます。

 

溜めを打つ瞬間に解放することでフォアハンドの威力が上がります。

ボールをインパクトでしっかり押す

スピンをかけようとボールをこすりすぎていませんか?

 

フォアハンドを重く速く、威力のあるショットにしたいのであれば、

ボールをしっかり押すことが大切。

 

ラケットにボールが乗ってる時間が長いほど力が伝わりますので、

ショットに力がないと感じる人はやってみてくださいね。

ワイパースイングでラケットを体に巻きつける

前項「ラケットの振り抜き」にて解説したので詳細はそちらをご覧ください。

 

ワイパースイングは安定感を出すためにも必要ですが、

フォアハンドの威力を出したいのであればもっと大切になります。

 

普通の振り抜きよりもワイパースイングの方が強い回転がかかるので、

バウンド後のボールの跳ね方が全然違います。

(ラケットヘッドが走ると言います。)

 

ヘッドを走らせるには、ラケットを持っていない方の腕の二の腕付近に振り抜く際、

さらに体に巻きつけるように腰を回す必要があります。

 

ワイパースイングをマスターしていればそんなに難しくないのですが、

最初感覚を掴むまでは少し難しいです。

 

しかしできるようになればフォアハンドの威力アップは間違いなしです。

フォアハンドのコントロールをするためには

フォアハンドのコントロールする、

打ちたい方向に打つためのポイントは

前足を打ちたい方向に向ける

これだけ。

 

ポイントさえ押さえればとても簡単です。

打ちたい方向に前足を向けるとは?

オープンスタンスでもクローズドスタンスでも、

前足を打ちたい方向に向けるようにするのがコントロールの第一歩。

 

前足を打ちたい方向に向けると

体のまわる向き・範囲がクロス・ストレート・逆クロスへと最適化されるので

すぐにでもできる簡単な方法です。

 

気をつけて欲しいのは、コースを狙おうとしすぎていつもと違う打ち方をしてしまうこと。

打ち方は変えずにいつも通りで。

 

体の向き、前足の向きを変えてコースを狙えるようにしましょう。

まとめ

長くなりましたが、フォアハンドについてはまだまだ書き足りないくらいです。

それくらい奥が深く、重要なショットなのです。

 

大事なポイントは

  • 打点の位置
  • ワイパースイング
  • 身体の前に手をセット!

今回の記事がフォアハンドに悩む人の参考に少しでもなれば嬉しいです。