トッププレイヤーの大多数が使用しているポリエステルガット
果たして初心者でも使用できるのか?
今回は初心者向け!ポリエステルガットについて元テニスコーチの私ぬつが解説します!
目次
ポリエステルガットとは?
その名の通りポリエステル製のガットのこと(通称ポリガット、ポリ等)
ここ数年で技術が爆発的に進歩したことで一躍有名になりました
厳密に言うと使われてる素材でいくつか種類があるのですが、
正直素材言われても・・・感があると思うので省略します。
ポリエステル全体について解説していきます。
ポリエステルの特徴
特徴は大きく3つ
- ハードな打感
- 打球が速く、重くなる
- スピン量の多さ
ハードな打感
最大の特徴と言えるのですが、とにかく硬い
その硬さゆえ、全種類の中で1番ガットが切れにくいです
タテ糸とヨコ糸をポリエステルにするとまるでフライパンで打ってるような感触
しっかりボールを打ってる感触が欲しい人にはオススメ
逆に力がないとボールが飛ばないので注意
打球が速く、重くなる
ナチュラルガットやナイロンガットはボールを包むようにしてラケットに当たるのですが、
ポリエステルはその反対で強い反発力でボールを飛ばします。
反発が強いとスイングにボールを飛ばす力が加わるので打球が速くなります
速いだけでなく、その反発の強さからボールにしっかり力が加わるので、
重く力強いボールが打てます
ただ、それなりのスイングスピードがないといい反発を生み出してくれないので注意
スピン量の多さ
硬い壁でこすってるかのようにボールをこすり上げる力も強いです。
反発力が強いのでガットに当たってる時間は短いですが、
短い時間でも強い摩擦力が生まれるので、スピン量が他のガットよりも多いです
ナチュラルやナイロンはガットの上を長くボールが転がることでスピンを生み出すので、
綺麗なスピンがかかりますが、スピンの威力ではポリエステルが一番です。
ポリエステルの難点
- テンションロスが激しい
- ある程度力がないと飛ばない
- 細かいコントロールが難しい
テンションロスが激しい
テニスのガットは新しく張った日から使ってなくてもガットの張りの強さであるテンションが右肩下がりでどんどん下がっていきます
最初張ったときよりも張りの強さが弱くなり変わることをテンションロスと言います
中でもポリエステルガットはガットの反発力が強いのでテンションロスがすぐ起きてしまい、
週一回の使用でも1ヶ月くらいで張り替えが必要になります
(ガットが最大限の性能を発揮できないため)
またテンションロスの起きたガットで長くプレーを続けると変な振動が腕にくるので、ケガに繋がりやすいです。
ガットが切れなくてもポリエステルは1ヶ月〜2ヶ月
ナチュラル、ナイロンは3ヶ月で張り替えが必要です
ある程度力がないと飛ばない
ポリエステルは反発力が強くいいボール打てるから
最強じゃない!?
そんなことはないんです
ポリエステルの性能を最大限に発揮させるには、パワー、スイングスピードがある程度ないと使いこなせないでしょう
ポリエステルがよく初心者に向かない理由でもあるのですが、
しっかり真ん中で当てるのは当然で、ボールをしっかり飛ばすパワー、
反発を生み出すのに必要なスイングスピードがないととてもテニスになりません
なので通常テニススクールで最初にポリエステルはオススメしないのです
細かいコントロールが難しい
ナチュラルやナイロンに比べてボールがガットに当たってる時間が短いので、
ボールをコントロールするのは難しいです。
ボレーのコントロールやロブのコントロールが特に難しく、
力加減を間違えるとすぐアウトしますし、
反対に弱く打ち過ぎるとネットもしくは相手のチャンスボールになってしまいます。
なので、初心者がポリエステルを使用するとボールが当たってる感覚がつかみにくいので、
逆に上達を遅くしてしまう可能性があります。
特にボレーに自信がない方はやめておいたほうがいいでしょう
実際初心者でもポリエステル使えるの?
結論から言ってしまうと初心者は避けたほうがいいです
その硬さから腕のケガに繋がりやすいですし、
恐らくいきなり使用すると全てのショットがうまく打てないので
テニスがつまらなく感じるかもしれません
ただし、これはあくまでラケットも握ったことのない完全な初心者の話で、
- サーブ
- ボレー
- ストローク
これら基本のショットを苦手意識がなくそつなく返球できるようになったら
使用してもいいかと思います。
逆に、どれか1つでも全くできないショットがあるのであればやめておきましょう。
(バックボレーだけできない等)
ショットの感覚がわかる前に高反発のガットを使うと上達の速度が遅くなるので注意
感覚を掴むにはボールが長くラケットに触れている
ナチュラルガットもしくはナイロンガットを使用しましょう
ポリエステルガットは試合で勝ち抜くなら必須
プレイヤーの数だけプレイスタイルは違うので一概には言えませんが、
現代テニスではポリエステルは試合で勝つなら必須と言っても過言ではありません
特にある程度技術が成熟してきて、試合でも安定して勝てるようになってきたけれども
優勝、もしくは入賞ができないのであればそれは
相手のショットよりも自分のショットの質が悪いからに他なりません。
競った試合で勝ち抜くには自分に合ったラケットやガットが必要で、
特に男性プレーヤーで重要なのはボールの威力
もちろんテニスはショットの威力だけで勝てるものではありませんが、
威力のあるボールを打てればは試合で優位に立つことができます。
なので反発力の強いポリエステルが選ばれるのです。
まとめ
以上ポリエステルについて色々と書いてきましたが、まとめると
- 高性能だが扱いづらい
- 完全な初心者には向かない
- 試合で勝つには必須
ざっとこんな感じ
ただ、繰り返しになりますがプレイスタイルは様々なのであくまで一般論です
- 力が強く、ナイロンじゃアウトばっかしてしまう!
- ガットがすぐ切れてしまうからポリエステルがいい!
上記の理由で使用するのもアリですが、コーチやショップの人などに相談してからのほうがいいです。
プレイに合わないガット選びはケガに直結しますので気を付けましょう。